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2012年3月

2012年3月30日 (金)

来年の準備 

P3290969 苗を育てるための床土は、近くで手に入る落ち葉や米ぬかなどの有機物を発酵させることによって、自分で作り出すことができます。ところが、小林農場では、私の不手際のため、床土はお金を支払って購入しなくてはいけません。来年こそはちゃんと自分が作った床土で苗を育てようと思い、今のうちから有機物(落ち葉、もみ殻、米ぬか、鶏糞)を踏み込みながら積んでおきました。この有機物の塊が、雨にあたったり切り返されたりしながら、1年間の時を経て、じっくりと発酵、熟成され、来年には床土と化していると思います。

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2012年3月29日 (木)

苗の訴え

P3290970 畑に定植して間もないキャベツの苗。今年の早春はやはり、例年と比べて寒いのでしょうか。ほとんど全部の苗が赤黒く変色しています。おそらく、寒くて、うまく土から栄養を吸収できていないからだと思います。霜焼けで葉がまっ白になってしまった苗も見られます。

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2012年3月28日 (水)

飛散準備

P3240221_3 スギの雄花。借地のまわりの雑木林にて。枝の先に多数つき、懸命に花粉を飛ばそうとしている健気な姿です。しかし、この時期、かわいそうなくらいに大多数の人に嫌われ、この写真を見せると顔をしかめる人もいます。

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2012年3月27日 (火)

栽培暦 3月18日~24日

育苗  出荷  定植、不織布べたかけ(レタス、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー)、不織布片づけ、除草(ほうれん草、小松菜、かぶ、大根、ねぎ)  間引き(大根、かぶ)  施肥、トラクター耕  播種(小松菜、ほうれん草、かぶ、二十日大根、京菜)  落ち葉かき  整地  さやえんどうネット張り  除草(さやえんどう、そら豆)  さやえんどう補植  倉庫片づけ

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畑の様子

P3260961 ナスの苗。いくつかの苗の頭がちょん切られていますが、これは、ネズミのような小動物の仕業です。夜に活動するようで、日が暮れた後、苗箱の上に小動物に入られないように朝までふたをするようにしています。

P3260962 まだ小さな人参。人参の種は普通、3月、4月にまくのですが、今年は初めて、厳寒期の2月上旬に種を播いてみました。発芽率は悪くなく、このまま順調に生育してくれれば、いつもより早く、5月より人参を収穫できる見込みです。

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辰年春分 その1

今年の冬は例年になく寒く、いつもなら2月には咲く梅もつぼみを閉じたまま。それでも、春の訪れは節々に見られ、日の光は力強さを増し、洗濯物がよく乾くようになりました。

年が明けると、お届けしている野菜セットの量も質も落ちてゆき、会員の方々に満足していただける内容にするのに苦心しました。寒い冬はどうしても出荷できる野菜の種類数も質も落ちていくのが自然なのですが、そんな中でも、一年間通して野菜セットの内容の質をできるだけ保ち続けるように工夫することが、今後の小林農場の課題です。

例えば、玉ねぎやさつまいもなどは、うまく貯蔵すれば、年が明けた後でも、今の時期まで出荷できます。じゃがいも、人参、ごぼうなど、比較的簡単に貯蔵できるものは、もっとたくさん作付けしといていいでしょう。また、ラッカセイ、小豆、ささげ、大豆などの豆類は時期を問わず貯蔵でき、冬にも出荷が可能です。京菜やターサイなどの低温に強い葉物野菜も、大事に育てれば、冬季に収穫できます。漬物などの加工品を作る技術が身に着けば、加工品を作って野菜セットの一品として加えることもできます。

これらを労を惜しまず一つ一つ実践すれば、次の冬には、今以上に充実した種類数の野菜セットが作れると思います。

この冬、ありがたいことに、数軒、小林農場のお試しセットの申し込みをいただきました。もうしわけないと思いつつも、お申込みをしていただいた方々には、お試しセットのお届けは、新鮮な葉物野菜が収穫され始める4月の下旬まで待っていただくように、お願いいたしました。まだお届けできる野菜の内容が充実していない冬の時期にお試しセットをお届けすることを避け、もっと内容の良くなる時期に野菜セットを試していただきたいと考えました。

本当は4月も、野菜の端境期(はざかいき)。出荷できる野菜の種類は限られ、お試しセットをお届けするには良い時期とは言えません。5月から次第に出荷できる種類が増え、6月から12月はそれはとてもとても豊かな内容の野菜セットとなります。

ただ、1日でも早く、できるだけ多くの方々に小林農場の野菜を食べていただきたいという想いは抑えがたく、新年度が始まり心新たにして事に臨む方々も多いであろう4月に、お試しセットのお届けを開始することに決めました。

4月からそれなりの量の野菜を収穫できるように、ビニールトンネルを建てて作物を保温しながら栽培しています。このように資材を使用して作物の生育を早めるやり方は、自然の旬に従って作物を育てていく小林農場の本来のやり方とは違います。年間通して途切れることなくそれなりの種類数の作物を出荷し続けることを第一に考え、収穫できる作物が極端に減るこの時期のみ、資材の力を活用しています。

小林農場の野菜セットを今まで食べってくださった方々にはさらに充実したセットをお届けできるように、また、これよりお試しセットを試される方々には、継続的に小林農場の野菜セットを食べたいと思っていただけるよう、全力をつくしてまいりたいと思います。

そして、もっともっと多くの方々に小林農場の野菜セットを食べていただきたいと願っております。

こんな映画が図書館で借りられます

全く農場と関係のない話をさせてください。

図書館から借りてくる映画のDVDを週に1本ずつ鑑賞する時間が、私のささやかな楽しみです。我が借家にはテレビはなく、インターネットも動画は見れないように設定されているため、かなり映像に飢えている毎日です。だから、どんな映画を見ても、おもしろく思えます。

以下は私が今まで図書館から借りてきた映画です。思いだせるかぎり、書きだしてみました(もしかしたら、タイトルが間違っているのもあるかもしれません。)。みなさんがみたことのある映画は、何本、はいっていましたか?

博士の愛した数式、東京日和、西の魔女が死んだ、クライマーズハイ、GOEMON、東京タワー僕とおかんとときどきおとん、壁男、フラガール、風の又三郎ガラスのマント、南極料理人、武士の一分、ブレイブストーリー、おとうと、パプリカ、犯人に告ぐ、セロ弾きゴーシュ、あずみ、蟲師、Death Note、マジックアワー、女の子物語、チルソクの夏、レモンの頃、夜のピクニック、ウオターボーイ、午後の遺言状、もがりの森、明日の記憶、象の背中、サイドウエイ、私の小さなピアニスト、クロッシング、武士の家計簿、豚のいた教室、かもめ食堂、めがね、オレは君のために死にに行く、ヴィヨンの妻、あの子を探して、恋の来た道、重力ピエロ、オリヨン座からの招待状、パレード、必死剣島刺し、キサラギ、ゆれる、憑き神、風が吹くころ、男たちのヤマト、おくりびと、united93、木更津キャッツアイ日本シリーズ、父と暮らせば、剣岳点の記録、明日への遺言、JSA、阿弥陀堂だより、夕凪の街桜の国、蔵、父親たちの星条旗、インジテルミ、パンダコパンダ、戦場のメリークリスマス、ゲゲゲの女房

そして、私の心に深い印象を残した映画は、以下、7本。ぜひ、おすすめです。

「母べえ」 監督・山田洋次 出演・吉永小百合

「誰も知らない」 監督・是枝裕和 出演・柳楽優弥 

「佐賀のがばいばあちゃん」 監督・倉内均 出演・吉行和子

「ジョゼと虎と魚たち」 監督・犬童一心 出演・妻夫木聡

「座頭市」 監督・北野武  出演・ビートたけし

「1ℓの涙」 監督・岡村力  出演・大西麻恵

「パコと魔法の絵本」  監督・中島哲也 出演・役所広司

これらの映画のDVDは、栃木県の図書館で借りられるので、おそらく、どの都道府県の図書館でも借りられると思います。自分の地元の図書館に置いてなくても、取り寄せてもらうことができます。もちろん、貸出料は無料です。

レンタル屋さんでお金を支払って映画を借りると、どうしても自分の好きな分野の映画しか見なくなります。でも、図書館では、置いてある映画の数は限られ、自分の好き嫌い関係なく、その日にたまたま置いてある映画を借りて観ることになります。そうすると、今まで自分が知らなかった意外な発見に出会えます。新たに好きな分野が見つかり、新たに好きな俳優が見つかります。「図書館通いの映画借り」で、そんな偶然の出会いを楽しんでいます。

いやあ、映画って、本当にいいですよね。それでは、サヨナラ、サヨナラ。

2012年3月20日 (火)

ねぎのみそ焦がし炒め

材料 みそ、料理酒、ねぎ、他に野菜をもう一品

フライパンにざく切りにしたネギと他の野菜を炒め、

料理酒で溶いたみそをフライパンにくわえ、

みそが焦げる寸前に火を止める

焦げ気味のみそのこおばしい香りとねぎの香りの組み合わせがおりなす、こってりとしていながらも洗礼された味わい。お酒のつまみなどにも。みそといっしょにしょうゆをくわえてもよい。

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2012年3月19日 (月)

栽培暦 3月11日~3月17日

育苗  収穫、出荷  播種(なす、賀茂ナス、ピーマン、伏見甘長、カラーピーマン、鷹の爪、セロリ、アスパラガス、ミツバ)  床土、堆肥、移動、切り返し  移植(カリフラワー)  サヤエンドウネット張り  定植、不織布べたかけ(チンゲンサイ、白菜、サニーレタス、サラダ菜、そら豆)  じゃがいも種切り、植えつけ  施肥、トラクター耕  播種(人参、小松菜、ほうれん草、かぶ、二十日大根、山東菜、京菜、からし菜、ルッコラ、春菊)

 

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3月16日の野菜セット

じゃがいも、人参、大根、里芋、長ネギ、白かぼちゃ、白菜、ほうれん草、油菜、エシャロット、干し芋

「毎回更新 野菜セットの食べ方 走り書き」配布

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2012年3月14日 (水)

種イモ

P3130940 購入したじゃがいもの種イモを切り分けて、じゃがいもを畑に植え付ける準備。写真左のまだ切り分けられていない種イモのてっぺんには、出てきたばかりの白くてかわいらしい芽がいくつも集まっています。「頂芽」と呼ばれる部分で、ここからたくさんの芽が生育します。どの種イモにも1箇所、どこかに頂芽があります。この頂芽をうまく均等に切り分けることができれば、どの種イモからもちょうどよい数の芽が生育し、ちょうどよい数と大きさのいもを収穫することができます。

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2012年3月13日 (火)

啓蟄(けいちつ)

P3120938 まだ幼い大根の葉。よく見ると、虫が食った丸い小さな食痕が無数にあります。現在の暦は、啓蟄。冬眠していた虫たちが這い出してくる頃と言われていますが、小林農場の畑でも、小さな虫たちが作物のまわりで活動を開始している気配を、ひしひしと感じます。

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2012年3月12日 (月)

仕事歴 3月4日~3月10日

育苗  収穫、出荷  竹林整理、落ち葉かき  育苗ハウス完成  トラクター耕  移植(チンゲンサイ、レタス、サニーレタス、サラダナ、キャベツ、ブロッコリー)

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2012年3月10日 (土)

菜種梅雨

P3090935 油菜。2月にはほとんどの葉が凍って霜枯れしていまいましたが、3月になって暖かくなり雨もよく降り出すと、青々とした新芽が勢いよく伸び、再び若返り、また、出荷できるような感じになってきました。間もなく、春の到来を告げるかのごとく、油菜から菜の花が咲くころでしょう。ナタネや油菜が花を咲かすころに降る長雨を、昔から「菜種梅雨」と呼ばれてきました。乾燥する冬に乾ききった土は、菜種梅雨によって潤い、春の草木が生育していく土台を築きます。

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3月10日の野菜セット

じゃがいも、人参、大根、里芋、長ネギ、白かぼちゃ、白菜、油菜、ほうれん草、エシャロット、干し芋

「毎回更新 野菜セットの食べ方 走り書き」配布

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2012年3月 6日 (火)

3月11日のあの事故はなんだったのか  その1

今年も間もなく、3月11日を迎えようとしています。福島第一原発事故で揺れた1年、自分が学んだこと、感じたことを総括してみました。

原発事故によって放射性物質がまき散らされ、福島県内のみならず、日本全土、そして、地球上のすべての地域が、多かれ少なかれ、被ばくしました。特に大量の放射性物質が降り注いだ福島周辺地域の土地では、放射能測定機で測定すると、数千ベクレルをも超えるものすごい数値が検出されていました。

これだけ土が汚染されれば、この土地で育つ作物も無事ではないのではないかと懸念されました。昨年の秋、稲が実る頃、政府は放射能汚染を受けた東日本の17都県で、収穫された稲の放射能の測定をおこないました。

3000を超える検体の中で、暫定基準値の500ベクレル/kgを超えたのは、1件のみ。99%以上の検体は50ベクレル/kg以下という結果でした。激しい汚染を受けた福島県内の1200件の検体のみを見ても、98%以上が50ベクレル/kg以下でした。

米以外の作物では、昨年12月に公表されたデータによると、83%以上が100ベクレル/kg以下、暫定基準値500ベクレル/kgを超えたのは、きのこ類や茶がそれぞれ全体の8%ほど。野菜は、事故直後からの3カ月間では全体の4%ほどが暫定基準値をこえていましたが、昨年の7月以降は全体の0.1%まで減少しました。

確かに暫定基準値を超える作物が時々出現したりしてはいますが、あれほど大量に放射性物質が飛散したわりには、予測を大きく下回る測定結果でした。

今まで暫定基準値500ベクレル/kg以上の作物は出荷停止されてきましたが、新年度から施行される新基準ではさらに厳しく、100ベクレル/kg以上の作物が出荷停止処分の対象となります。それでも、現状を考えると、ほぼすべての地域でこの基準値にひっかかることはないと予測されています。

なぜ土壌には放射性物質が存在しているのに、それが作物にあまり吸収されていかないのか?昨年、無農薬、無化学肥料の有機農業を長く営んできたベテランの農家の方々が講演会で公表されたお話によると、日本の土壌は腐植土に恵まれているからではないかとのことでした。

腐植土とは、スポンジのようにふんわりとしていて、保水性があり、なおかつ排水性もあり、酸素も水も含み、栄養も適度にあり、微生物が好んで居座るような土のことをいいます。当然、作物もそのような土が大好きです。そして、原発事故以後、腐植土には放射性物質を捕まえて放さない性質があることが分かってきて、よって、土壌から作物へ放射性物質が移行していかないのではないかと推測されています。

腐植土を作るためには、落ち葉や稲わらや動物のフンなどの有機物を田畑に与えることが有効です。長い間、日本の農家は、これらの有機物をゴミとして無駄に捨ててしまったりせず、「もったいない」と土づくりの材料として使い、有機物の循環により、腐植土を作り続けてきました。結果として、現在、これらの腐植土が放射性物質から作物を守ってくれているようです。

私たち農家の宝であった有機物が、今回の原発事故によって放射性物質をかぶってしまいました。「有機物を肥料として使うよりも、ちゃんと管理された工場で作られた化学肥料を使用したほうが安全ではないか」との声も挙がりました。

しかし、腐植土が作物を放射性物質から守ってくれるのであれば、有機物を循環させていく今までどうりのやり方をつづけていくべきでしょう。健全な作物を育てるには、腐植土は必要です。そして、健全に育てられた作物の中にこそ、放射性物質と対抗していける免疫力が宿っていると思います。

日本の田畑には、放射能汚染をはじき返せるくらい力が、まだまだあります。

3月11日のあの事故はなんだったのか  その2

昨年の秋から今年の冬にかけて、講演会で地元の生協の方々からの報告を何度かお聞きしました。安全な食品をお客さんに販売したいとの想いから生産者と顔の見える関係を築き、長い間ずっと自産自消を取り組んできた方々です。

原発事故により地元産の作物が放射能汚染を受け、安全を求めるお客さんから、食品を地元以外から仕入れてほしいとの要望が挙がりました。それでもその生協は、顔の見える地元の農家から農作物を仕入れることが食の安全を守るうえで一番確実と考え、放射能測定機を導入して販売する作物を検査しながら、地元産の作物を販売し続けたようです。

このような生協の姿勢は、きっと、生協に出荷していた農家の方々を勇気づけたことでしょう。今までコツコツと積み重ねてきたお互いの信頼関係が、この非常時に結実していく様子がうかがえました。

福島県と隣接する栃木県北部の那須町や那須塩原市では、栃木県の中でも最も深刻な放射能汚染を受けました。その那須塩原市で行われた講演会で、地域がどのように放射能汚染と向き合ったか、お話を聞いてまいりました。

住人の方々がとても活発に動いたようで、放射能測定機を導入してこまめに地域中を測定して、何度も話し合いを持ったようです。食品に対する国の暫定基準値では数値が高すぎて食の安全を守れないと判断し、チェルノブイリ原発事故後のベラルーシの基準値の37ベクレル/kgという厳しい数値をこの地域にも採用していくことを決めました。

「原発事故後は怖くて地元の野菜を食べられなかったけれども、今では食べられる。食品の測定を続けているけれども、那須塩原市で37ベクレル/kgを超える野菜はない。」と住民の方が語っていました。

原発事故後、福島周辺地域の農作物は、買い控えられるようになりました。特に子を持つ親御さんたちの心情を考えると、しかたがないことなのかもしれません。

ただ、原発事故が起こる前から、食の安全はさまざまな要因で脅かされていました。今はどうしても放射能汚染ばかりに注目が集まってしまいますが、他にも、農薬の毒性の問題、食品添加物の問題、食品表示偽装の問題などもあります。極端な例では外国から輸入された冷凍ギョーザから毒物が検出されてそれを食べた人が重症になるという事件もあり、顔の見えない遠い場所から食品を入手することの危険性が指摘されることもありました。

福島周辺にくらしている人々が放射能汚染を避けるために他所から輸入された食品を選ぶのも一つの選択だとは思います。ただ、遠くから輸入された食品の中には、放射性物質は含まれていないかもしれませんが、他にどんなものが含まれているのかははっきりしません。

食の安全を守るためには、けっきょくは生産者と消費者が顔の見える信頼関係を築いていくしかないと思います。今回の原発事故のような非常時が起こった時に、生産者と消費者が不安を打ち明け合いながらいっしょになって考えれば、危機をのりこえていけるのではないのでしょうか。

3月11日のあの事故はなんだったのか その3

現在の放射線の研究によると、人体が年間100mSV以上の放射線を受けると人体に障害が生じる可能性が高まることが明らかになっています。一方で、年間100mSV以下の放射線が与える人体への影響は、まだ、はっきりとはわからないようです。

基本的には放射線は人体に有害なので、なるべく浴びないほうがよいです。しかし、文明社会では、普通に暮らしていてもわずかに被ばくを受ける機会があります。もともと自然界に存在している自然放射能やレントゲンなどの医療からの被ばくはしかたがないとして、それ以外の一般人への被ばくは、「年間1mSV」以下におさえるよう、1990年に国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告、世界各国がこれにもとづき、日本でも原子力基本法でこの基準が法定化されました。

年間100mSV以下の放射線の影響についてはまだ研究段階であり、その結果がでるまで待っているわけにもいかず、議論を重ねた結果、とりあえず、100mSVの100分の1の1mSVで規制をかけたようです。「1mSV」という値は、科学的な数値よりも、国際的な取り決めという性格があるようです。今のところ、この基準で問題が生じたとの報告はないようです。

一方で、チェルノブイリ原発事故から数年たった2007年、2008年にICRPは「原発事故のような緊急時は基準を引き上げ、一般人の被ばくを年間20~100mSVまで許容し、その後は年間1~20mSVまでにおさえること」と勧告。

これは、「チェルノブイリの事故後、厳格な避難基準を住民に設けたため、避難した住民が心身にストレスを抱え、そのために住民の平均寿命が目立って下がった。」とのロシア政府からの報告を受け、原発事故後の避難基準を見直したものと思われます。ちなみに、この勧告は、日本では法律に定められていません。

このような情勢の中、2011年3月11日に福島第一原発事故が発生しました。福島県内の多くの市町村や東北・関東地方に点在するホットスポットでは法律内の年間1mSVを超える空間線量が検出され、日本政府はICRPの勧告に従い、今まで法律で定められていた「被ばく限度量1mSV以下」を20mSVまで引き上げる方針をとりました。

「人体の放射線への耐性が20倍強くなったわけでもないのに、基準値だけを1mSVから20mSVまで引き上げるのは危険だ。」という意見や、「放射線の危険を心配しすぎることにより引き起こされる健康被害を考慮して、しばらくは基準をゆるめるべきだ」という意見など、嵐のような意見のぶつかり合いがまきおこりました。そして、国も地域も共同体も、分断されていくのでした。

ちなみに国が定めた食品の暫定基準値は、年間5mSVまでに内部被ばくをおさえるように設定されているようですが、これは、年間1mSVよりも高くて、年間20mSVより低い数値です。

以上、私が講演会やインターネットや本から学んだことを書いてみました。いろんな意見が乱れ飛ぶ中、その中から情報を集め、情報の発言者の人柄をよく見ながら、自分の経験と直感を頼りに情報を選択していく。そのような状況が、この先もつづくでしょう。

東北や関東地方で暮らしている人々はみんな、この先数年間、放射能汚染のリスクとともにくらしていくことになることを知っています。政府や自治体は、住人を安心させるために安易に「安全宣言」をするのではなく、自分たちの地域にはどのような危険があり、それに対してどう対処していけばよいのか、示してほしいとおもいます。そうしてくれたほうが、安心します。

安全かどうかはっきりしていない農作物を「安全」と言い切り、それを不安視する意見を「風評」と言い切る。そのような態度では、人々の不信感を増大させるだけです。

私も「まだ栃木県産の農産物への放射能汚染の不安は完全に払拭されたわけではないけれど、良い情報も悪い情報もすべてお知らせすると約束するので、小林農場を支えてください。」と切々と多くの人々にうったえていこうと思っています。

現在、福島周辺地域に飛散されたままになっている放射性物質が本当に危険なのか、それとも、本当は危険じゃないのか。はっきし言って、よくわかりません。でも、この物質が得体の知れぬがゆえに、私たちはさんざん振り回されました。

私たちには放射性物質は手に負えないもの。それが今回の事故の結論ではないのでしょうか。

放射能汚染に関する参考資料

小林農場の作物の検査(平成23年10月19日 芳賀農業振興事務所)  じゃがいも、人参、大根、かぶ、ねぎの5品目を検査。いずれも放射性物質は不検出(測定下限値30ベクレル/kg)  参考:国の暫定基準値は500ベクレル/kg。新基準では100ベクレル/kg。ある専門家の試算では、30ベクレル/kgの食品が人体に及ぼす影響は、年間0.3mSV.。

小林農場の畑の土の検査(平成23年12月27日 民間稲作研究所) 放射性セシウム114ベクレル/kg検出  参考:国の基準値では、5000ベクレル/kg以上の田んぼでは、作付けが制限される。新基準では1000ベクレル/kg以上) 

小林農場が使用している有機物の検査(平成23年12月30日 那須希望の砦、平成24年1月26日 アジア学園) 落ち葉 放射性セシウム 174ベクレル/kg検出  米ぬか 不検出(測定下限値は確か、10ベクレル/kg以下だったと思う) もみ殻 放射性セシウム22ベクレル/kg検出 雑草 不検出   参考:国の暫定基準値では、400ベクレル/kg以上の有機物の使用は禁止。

2012年3月 4日 (日)

雪化粧

P2290920

P2290924

先日降り注いだ大雪。ここ数年でも最も厚く積もった雪でしたが、その翌日には気温が春めき、地に残り続けることなく、潔く消えてなくなりました。

P3010930 大雪の翌日に野菜を収穫。一面真っ白になった畑から作物の居所を探しだし雪をどかしながら収穫。いつもの収穫作業の何倍も手間でした。

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仕事歴 2月27日~3月3日

育苗  収穫、出荷  育苗ハウス建設  播種(ニラ)  畑に客土、均平  米ぬか入手  施肥、トラクター耕  確定申告  雪かき  トンネル開け閉め  干しかぼちゃ作り  白菜塩漬け  堆肥切り返し  放射性物質と食に関する研修会

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2012年3月 2日 (金)

3月2日の野菜セット

じゃがいも、人参、大根、里芋、長ネギ、白かぼちゃ、白菜、油菜、ほうれん草、エシャロット、干し芋

「毎回更新 野菜セットの食べ方 走り書き」配布  

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2012年3月 1日 (木)

春到来を告げに来た雪

P2290925 西高東低の冬型の気圧配置が崩れ、季節が春に向かうころ、晴天が続いていた関東地方にも大雪が降ります。どうしても外出する用事があり、道路が大雪で埋まる中、恐る恐る車で出かけました。どの田畑もどの家の屋根も雪でまっ白なのに、畑に建てられているビニールハウスの屋根だけは雪が落とされていました。雪の日には、雪でハウスがつぶれてしまはぬように、どの農家さんも気を配っているようでした。

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