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2011年11月28日 (月)

一ヶ月早い 平成24年  新年の抱負  その2

年が明けるまで、残すところあと一ヶ月。おそらく日本で一番早い「新年の抱負」公開。

10年前の話ですが、関西地方の農家の方の田んぼを見学させていただいたことがあります。

その田んぼは、「不耕起草生栽培」で20年以上、稲が栽培されていました。田んぼを耕さず、雑草もじゃまものとせずに田んぼから持ち運ぶことなく、そうすると、耕したり雑草を運び出したりするよりも、土は豊かになっていくのだそうです。これほど人為を除いて自然界の摂理に委ねる栽培法は他にはないのではないでしょうか。

その田んぼに足を踏み入れたときの、私の足に伝わってきた土のふくよかな感触、10年たった今でも、忘れません。

農家の方からお話を伺う機会がありました。不耕起栽培によって土が豊かになっていく理(ことわり)、さらに、自然界とどう向き合っていくのか、人としてどう生きていくかといった哲学に話が発展していきました。奥深き不耕起草生栽培の世界に酔いしれた、至福の時間でした。

農家の方が最後に言いました。「私の言葉にとらわれないでください。不耕起とは、耕す必要がないから耕さないのであって、いかなる時も耕してはいけないという意味ではありません。もし耕す必要があるのであれば、耕せばいいのです。」この言葉を聞いて、さらにこの農家の方に尊敬の念を抱きました。

不耕起栽培で育てたゴボウが収穫時期をむかえたとき、土を掘って収穫したりしたら土を耕すことになってしまうので、せっかくのゴボウを収穫できなくなってしまった。そんな笑い話があります。この場合は、ゴボウの収穫のため、素直に土を掘るべきでしょう。

多くの人がこの不耕起栽培に挑戦するものの、あまりに魅力的なため、その方法論に固執しすぎて失敗してしまう人もいるときいております。

作物栽培の基本は、まずはよく作物を観察して作物と会話して、作物が望んでいるように生育させ、ときどき手助けしていくことだと思います。最初から用意された、自分が思い描いている栽培方法の手引きで無理に作物を育てることは、できるだけ避けるべきでしょう。

今、さまざまな「こだわりの栽培方法」で生産された「こだわりの商品」が店頭に並んでいます。こだわりをもつことがすばらしいとされています。

そんな中、私は、どうやったら自分のこだわりから解放されて、まっさらな気持ちで作物と会話できるのか、考えてみたいと思います。

平成24年 辰年の陣  作物栽培は一に観察、二に観察、三、四は観察、五は読書して勉強、六に観察、七に観察

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