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2011年6月25日 (土)

卯年夏至 その1

拝啓

季節は夏至、長雨が続き梅雨明けが待ち遠しい今日この頃です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

時々、私に感動を与え、印象に残る作物と出会うことがあります。例えば、今年のキャベツ。

私の下手な苗作りのために生育が遅れてしまい、本当は5月から収穫が始まるはずだったのですが、今年は6月中旬よりキャベツが収穫時期を迎えました。葉物野菜がすぐに傷んでいってしまうような梅雨本番の高温多湿の季節にです。

ところが、食べ頃を迎えたキャベツがどれも葉の色の生き生きとしていること。傷んでしまったキャベツは、まだ、ほとんど見当たりません。

キャベツはアオムシの大好物で、よく葉がアオムシにボロボロに食い荒らされてしまうこともしばしばあります。無農薬栽培では、アオムシを一匹一匹、手でつまみだして防虫するのですが、今年は忙しくて手が回らず、アオムシをそのまま好きなようにさせておきました。

キャベツを収穫し、出荷できるように仕立ててみると、「本当は秘かに農薬をまいているのでは」と人から疑われてもしかたがないくらい、虫食われ穴がほとんど見当たらない、それはそれはきれいな姿のキャベツになりました。

直売所にキャベツを出荷するときは、必ず「農薬を使わずに育てました」と書いたラベルをキャベツに貼るようにしています。無農薬でもこれだけきれいなキャベツをつくれるのだぞと、多くの人に知ってもらいたくて。

これだけの質のキャベツに育ったのは、私の力ではありません。私は、キャベツからアオムシをつまみだすことすらしていません。今回は、作物自身の生命力と畑の土の力に私が助けられました。

そして、今年の大根。小林農場の借地の畑は粘土質で、固くしまる性質があります。このような粘土の固まりのような畑で、はたして、大根が地中に大きな根を伸ばしていってくれるのか、最初は半信半疑でした。

収穫時期を迎え、大根を土より引き抜いてみました。まずまずの大きさと形に育ってくれていました。

そして試食として、味噌汁の具にして食べてみました。肉質がきめ細かく、一口食べておいしいとわかる大根でした。

小林農場の粘土質の畑でも、大根のような根菜類が作れることを証明してくれた今年の大根でした。きっとこれから同じ畑で収穫される人参もごぼうも、元気な姿で地中ですごしていることでしょう。

作物から勇気をもらうことの多い日々です。

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